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NOTTV破綻で始まる電波社会主義の崩壊(2)

ドコモの特殊なアンテナをつけた端末でしか見られないNOTTVができた背景には、複雑な事情がある。2007年に2.5GHz帯の比較審査(美人投票)が行なわれたとき、4グループの中で、ドコモのグループ(B社)が落選し、ウィルコム(A社)とKDDI(C社)が当選したが、その理由に業界は驚いた。次の表のように「継続的に運営するために必要な財務的基礎がより充実している」という点でウィルコムがトップだったのだ。

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「日の丸技術」であるPHSを通すことにご執心だったのが当時の菅義偉総務相で、その意向でウィルコムが選ばれたといわれる。日本有数の高収益企業ドコモより「財務的基礎が充実」していたはずのウィルコムは、まもなく経営が破綻してカーライル・グループに買収され、さらに経営が行き詰まってソフトバンクに買収された。

このときドコモを落とす代わりに、アナログ放送をやめて空くVHF帯を与えるというのが総務省とドコモのバーター取引だった。VHF帯にはクアルコムが参入しようとしており、これに対して民放連が既得権を守ろうとしていたが、放送局が全国に携帯端末用の基地局を建てることができないため、通信業者の協力が必要だったのだ。

続きは12月7日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

NOTTV破綻で始まる電波社会主義の崩壊(1)

大手メディアがまったく伝えていないNOTTVの破綻だが、話は非常に複雑なので、連載で今までの経緯を説明しよう。まずそれを運営しているNTTドコモと民放連の子会社mmbiの今年の決算は次の通り。

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2015年6月のNOTTVの決算公告

当期純損失が503億円、累積赤字(利益剰余金の赤字)が996億円と、株主資本の2倍の債務超過で、普通の会社ならとっくに清算される財務状況だ。アゴラでも書いたように、これが失敗することは最初からわかっていた。不思議なのは、こんな大赤字になるに決まっているビジネスをNTTドコモの中村社長(当時)がなぜ始めたのかということだ。これには電波社会主義に特有の複雑な事情がある。

続きは12月7日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

ソニーは立ち直れるのか

ソニーがきのう4~9月期の連結損益を発表した。当期純損益は1059億円で、5年ぶりの中間黒字を計上した。ちょうど今夜のアゴラ経済塾ではソニーをテーマにするので、その中間決算の中身を調べてみた。

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ソニーのセグメント別の連結営業利益

これはセグメント別の営業損益だが、増益に寄与した最大の要因は、昨年1722億円もの減損処理をしたスマホの赤字が減ったことだ。画像センサとゲーム機(PS4)の黒字は増えたが、映画は赤字が増え、本業の足を引っ張っている。最大の稼ぎ頭は、一貫して金融(ソニー銀行・生命)である。

これは典型的なコングロマリットの末期症状だ。過去にも映画部門を売却すべきだという株主の要求があり、「スパイダーマン」のような大ヒットを出したときは投資家からも「映画部門だけなら買う」という声があったが、最近では金正恩暗殺を描いた映画がサイバーアタックの対象になったりして、お荷物になっている。

ソニーの技術力はまだ高いが、1240社も連結子会社を抱えた水ぶくれ構造では、平井社長のような「みこし」型のCEOが全体をコントロールすることは不可能だ。むしろ大胆な事業売却によって、資本の論理で再生できる可能性がある。

続きは11月2日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

電波開放を阻む民放連

300px-Tokyo_Sky_Tree_2012JBpressに書いたMVNOの話を補足しておこう。世界的にみると、MVNOが成功した例は少ない。ボトルネックになる電波をキャリアに握られているからだ。

これは固定通信網でDSLが挫折したのと同じで、NTTなどの既存キャリアが加入者線(last one mile)をもっている限り対等な競争はできない。規制当局は電波の「オープン化」を進めようとするが、スマホが増えて帯域は満杯になっている。

公正競争を実現するには、UHF帯をスカイツリーのように整理して電波を開放すればいいのだが、民放連が死守している。「チャンネルがあくと大資本が入ってくる」と恐れているからだが、今どき滅びゆく地上波ビジネスに参入する企業はない。

世界的にみても、オークションで開放されたUHF帯は、すべてスマホの帯域だ。しかし民放連の政治力は強いため、自民党は彼らの既得権を守り、電波部はそれに絶対服従だ。民主党政権が電波法改正でオークションを可能にしたが、自民党政権は封印してしまった。

続きは10月26日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

携帯料金を下げる方法

iphone机から床に落としただけで、iPhone5sのガラスが割れてしまった。最初はガラスを取り替えればいいだけだろうと思って、近所のショップに持って行ったら、液晶ごと替えなければならないので、純正でなくても1万4800円かかるという。

しょうがないから買い換えようと思ったが、iPhone6sの価格は8万4000円。しかしヤマダ電機では、SIMフリーのHuaweiの端末を1万7800円で売っている。そこでまず考えたのはSIMフリーの端末にauのSIMカードを差すことだ。念のため実際に私のSIMを差してみたが、動かない。どうもauのSIMには細工がしてあるらしく、日本のSIMフリー端末はSIMフリーではないのだ。

そこで発想を転換してMVNOの格安SIMに乗り換え、安倍政権の政策課題である「携帯料金の引き下げ」を実践してみようと思って、いろいろ試してみた。今のauでは毎月8000円~1万円とられている料金が、どこのMVNOでも基本料は2000円程度になる。ただ気をつけなければいけないのは、低価格で十分な機能があるのかという点だ。

続きは10月12日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

ビジネスマンのためのタコツボ入門

最近の記事は政治史トリビアみたいになってきたので、これはビジネスにも応用できることを示しておこう。タコツボ型という言葉は、丸山眞男が『日本の思想』で学問体系について使ったものだが、日本の組織を表現する概念としても使われる。たとえばソニーが「カンパニー制」で失敗したのも、もともと閉鎖的な事業部を完全なタコツボにして、全体を統括するのが出井伸之氏のような「弱いリーダー」だったからだ。

湯之上隆氏が日本の半導体について指摘しているのも、同じ問題だ。要素技術としてはいいものがつくれるのに、全体の戦略を立てて実行するリーダーがいない。これが日本型だとすると、いくつかの部門を統合した企業がグローバルに競争する英米型(丸山の言葉でいうとササラ型)の資本主義、中国型の国家資本主義は次の図のようなイメージだ。

中国

日本型はデバイスのようなタコツボの中で完結する製品では強いが、全体のアーキテクチャや世界戦略が勝負のPCやスマートフォンでは、国際分業を統括できる英米型が強い。しかし国家資本主義型のインフラ産業やエネルギー産業では、日本も強い。ではグローバル企業のトヨタが強いのに、半導体が全滅したのはなぜだろうか?

続きは今夜23時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

iPhone5sとの闘い【更新】


話題のiPhone 5sを買った。積極的にほしいわけではなかったが、ドコモのテザリング料金が(1回使っただけでも)2600円もして、毎月の通信料金が1万円を超えたので、キャリアをKDDIに替えたのだ。サムスンの端末もよくない。私の使っていたGalaxy Nexusは裏蓋がめくれ上がり、電源コードが差し込めなくなった。Androidも、OSとしての完成度はiOSに遠く及ばない。

ドコモの通信エリアはソフトバンクよりはましだが、大した違いはない。KDDIがいちばん広く、地下などでもスムーズにつながる。これは800MHz帯にLTEの基地局を早くから整備したためだろう。ドコモは3Gからの切り替えが遅れ、SBは900MHz帯がまだ半分しか使えない。テザリングも、KDDIはドコモより格段によくなった。続きを読む

2.5GHz帯の割り当てはオークションで決めよ

2.5GHz帯の周波数割り当てについて、きょうの電監審を前に総務省がKDDIグループに割り当てると決めたとの報道について、ソフトバンクの孫社長が怒っている。
総務省に「審議会も開かれていないのに『電波の割り当ては元総務省の電波部長が天下りしている先の企業に出来レースで決まっているんですか』と抗議。 詳細は下記。bit.ly/14LMGUk
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IT産業より遅れているITユーザー

Noah Smithが日本の不況について「DSGEやRBCなどの既存の理論では説明できない」と論じている。私は、普通の教科書に出ていないハイエク的不況だと思う(テクニカル)。

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700/900MHz帯の割り当ては仕切り直せ

きのうソフトバンクはイーモバイルを買収し、100%子会社にすると発表した。これによってSBMは「プラチナバンド」と呼ばれる700/900MHz帯で、2スロットの免許をもつことになった。これは日本の電波法では違法ではないが、欧米では一つの免許を返却するのが普通だ。

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