IT

5Gの電波はプラチナバンドに空いている



第5世代移動通信システム(5G)の電波割り当てについての比較審査(美人投票)の結果が出た。きょう政策カフェでその話をしたが、その結果がちょっとおもしろい。NTTドコモとKDDIが1位と2位で3.7/4.5GHz帯では2枠取ったが、ソフトバンクは最下位で1枠しか取れなかったのだ。その点数は4.7点と、楽天より少ない。

続きはアゴラで。

GAFAをいじめてもプラットフォーム独占は止まらない

世界的にGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)規制の動きが強まっている。EU委員会は3月20日、グーグルに14億9000万ユーロの制裁金を課した。アメリカでは2020年の大統領選挙に名乗りを上げた民主党のウォーレン上院議員が、GAFA分割を公約した。

日本でも公正取引委員会がGAFAの調査に不公正慣行について調査を始め、自民党は4月にGAFA規制の方針を打ち出す予定だ。こういうプラットフォーム独占が競争を阻害し、長期停滞の原因になったと考える経済学者も多い。

続きはアゴラで。

将来世代は「ITデフレ」で今より豊かになる

300px-Moores_law_(1970-2011)JBpressでも書いたように、ゼロ金利(金利<成長率)の状態では財政破綻を心配する必要はなく、将来世代の負担もそれほど大きくない。この結論は金利が成長率を上回ると成り立たないが、将来世代は現在世代の資産を相続するので、国民全体のストックでみると今より絶対的に貧しくなることはない。

もう一つ大きな要因は、技術進歩である。半導体の集積度はムーアの法則で、図のように指数関数的に上がっている。CPUの性能は30年で1万倍以上になったので、あなたのもっているスマホの性能は昔の大型コンピュータを上回る。たとえば1989年のIBMの大型機の主記憶容量は2GBで、今の低価格スマホと同じだ。

いいかえると、数億円だった大型機と同じ性能のコンピュータが数万円で買えるようになるITデフレが起こり、ユーザーは1万倍豊かになったのだ。半導体価格の影響はあらゆる産業に及ぶので、これは物価にも影響を与えているはずだが、消費者物価指数やGDP統計では技術進歩の影響を微調整するだけなので、情報量の豊かさがマクロ指標に反映されない。

世の中には「デフレで貧しくなる」と錯覚している人がいるが、所得が同じでも物価が下がれば実質所得は上がる。だからこのITデフレが続く限り、若者は老人より豊かになるのだ。

続きは2月25日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

AIが「知能」になる日は来ない

AI vs. 教科書が読めない子どもたち
人工知能(AI)のブームは、今まで2度あった。1950年代に始まった「第1次ブーム」はすぐ挫折したが、80年代の「第2次ブーム」では世界中で巨額の投資が行われた。そのトップランナーが、通産省の第5世代コンピュータだったが、成果は何も出なかった。今は「第3次ブーム」だが、第2次ブームを同時代に見た私には既視感がある。投資を集めるために、プロジェクト・リーダーがAIの成果や将来性を誇大に語ることだ。

著者は東大入試をロボットに解かせることを目標にした「東ロボくん」というAI開発のリーダーで、これは「MARCHレベルの大学入試に合格するところまで行った」という。しかし東ロボくんは、インターネットのデータを大量にマシンに入力し、その「丸暗記」した知識を検索しているだけだ。

ただ著者はAIの将来性には懐疑的で、コンピュータが人間の知能を超える「シンギュラリティ」は今後とも来ないという。その理由としてあげているフレーム問題や「意味が理解できない」などの問題は昔から指摘されているAIの本質的な限界だ。

これを突破する革命的なイノベーションが起こらない限り、AIが意思決定や自己意識のような「知能」をもつ日は来ない。いまAIと呼ばれているのは深層学習の応用技術で、これは機械学習の改良版にすぎない。続きを読む

勤労統計問題の原因は「COBOLプログラムのバグ」



厚生労働省の毎月勤労統計調査についての特別監察委員会の報告書が出され、樋口委員長の記者会見が行われた。疑問も残るが、おおむね事実関係は明らかになった。

続きはアゴラで。

成長から成熟、そして長期停滞へ

IMG_2633明けましておめでとうございます。今年も年賀状は出さないので、ブログでごあいさつ。

今年はアゴラの10周年ですが、このブログは15年目に入ります。2004年8月にgooでスタートしたときは単なるメモで、私の小むずかしい記事がアクセスを集めるとは思っていなかったのですが、そのうち毎回gooのランキングでトップの常連になりました。

それを見たライブドアからお誘いがあり、アゴラと当ブログをライブドアブログに引っ越しました。当時はブログが新しいメディアになるとは思っていなかったので、ネットメディアの急成長に驚きました。こういう「ロングテール」を開拓したことが、インターネットの本質的なイノベーションでした。続きを読む

携帯料金を4割下げる方法

携帯電話に参入する予定だった楽天が、KDDIと業務提携すると発表した。これで来年秋からのサービス開始では、楽天の通信網だけではなく、KDDIとのローミングでやることになる。その代わり楽天は、ネット通販のインフラをKDDIに提供するという。

楽天は携帯に参入すると発表したとき、設備投資額を「2025年までに6000億円」と述べたが、3大キャリアの設備投資は昨年だけで合計1兆3000億円。この投資では、全国にネットワークを張りめぐらすのは困難だ。いずれ既存キャリアとの提携は避けられないとみられていたが、最初からインフラを借りるのでは、KDDIの顧客を奪うような低料金を出すことはできないだろう。

菅官房長官が「携帯料金は4割下げられる」という発言は大きな反響を呼んでいるが、今のスマホの処理能力は1990年の大型コンピュータを上回る。PCの価格は90年代の1割以下になっているのだから、通信料金を4割下げるというのは控えめな目標だ。コンピュータと同じように競争が働けば不可能ではない。

続きはアゴラで。

スミス的な競争からダーウィン的な淘汰へ



市場経済は資本主義の必要条件だが、十分条件ではない。市場(等価交換)は数千年前からあるが、資本主義(不等価交換)は最近300年以内の現象である。経済学の教科書には前者しか書いてないが、これは奇妙である。もし市場経済が新古典派経済学のいうように等価交換だとすれば、価格は限界費用と一致して、利潤はなくなってしまうからだ。

逆にいうと企業が存在しているのは、価格が何らかの原因で限界費用と均等化しない「不完全性」があるからだということになる。これは過渡的な状態で、最終的にはワルラス的な一般均衡に到達するはずだ、というのが新古典派経済学である。そこでは資源配分は効率的になり、それは(完璧な)社会主義と同じになる。

かつてインターネットは、そういう「摩擦のない世界」を創造すると思われていたが、そういう世界は新古典派の想定する「完全競争」にはならない。そこではJBpressにも書いたように、GAFAと呼ばれる「グローバル独占企業」が圧倒的な市場支配力で新規参入を排除する。そこで起こっているのはアダム・スミス的な競争ではなく、ダーウィン的な淘汰である。

続きは7月30日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

テレビ局の「帯域」に電波利用料を

日経新聞によると、総務省の有識者会議が電波利用料の「格差是正」のため、携帯電話業者の利用料を下げる方針だという。これは規制改革推進会議の電波改革でも大きなテーマだったが、オークションと取り違える人がいまだに多い。

電波利用料は1990年代にオークションを見送った代わりに郵政省が設けた制度で、オークションのように電波を有効利用する機能はない。しいていえば固定資産税のように非効率な電波利用に「課税」すれば有効利用を促進する効果があるが、今の電波利用料は無線局の数に比例して課金されるので逆効果だ。

続きはアゴラで。

UHF帯を5Gに開放すれば日本はトップになれる

次世代の無線「5G」についての話題がいろいろ出ているが、今ひとつ盛り上がらない。その原因は、用途がIoTなどの業務用無線に限られ、携帯電話などの公衆無線とはあまり関係ないからだ。割り当てられる予定の3.7GHz帯や4.5GHz帯は、今はマイクロ波の固定無線に割り当てられている。直進性が高く減衰が大きいので、ビームを絞らないと届かないのだ。

それをカバーする技術も開発されているが、電波の物理特性は半導体技術でカバーできない。今の高い周波数では、基本的に固定無線やホットスポットのような用途と考えたほうがいい。それはそれでマーケットがあるが、公衆無線よりはるかに小さい。ビームを絞って正確に当てる必要があるので、自動運転のような移動端末に使うのは適していない。

だがアメリカやEUでは、今の携帯端末と同じUHF帯に5Gを導入する計画が始まっている。たとえばTモバイルは、来年にも600MHz帯で5Gを導入する。EUも700MHz帯の割り当てを行う予定だ。そして日本では、UHF帯は大幅に余っている。テレビ局の使っていないホワイトスペースの200MHzを区画整理すれば、5Gで日本は世界のトップランナーになれる可能性もある。続きを読む






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