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携帯料金を4割下げる方法

携帯電話に参入する予定だった楽天が、KDDIと業務提携すると発表した。これで来年秋からのサービス開始では、楽天の通信網だけではなく、KDDIとのローミングでやることになる。その代わり楽天は、ネット通販のインフラをKDDIに提供するという。

楽天は携帯に参入すると発表したとき、設備投資額を「2025年までに6000億円」と述べたが、3大キャリアの設備投資は昨年だけで合計1兆3000億円。この投資では、全国にネットワークを張りめぐらすのは困難だ。いずれ既存キャリアとの提携は避けられないとみられていたが、最初からインフラを借りるのでは、KDDIの顧客を奪うような低料金を出すことはできないだろう。

菅官房長官が「携帯料金は4割下げられる」という発言は大きな反響を呼んでいるが、今のスマホの処理能力は1990年の大型コンピュータを上回る。PCの価格は90年代の1割以下になっているのだから、通信料金を4割下げるというのは控えめな目標だ。コンピュータと同じように競争が働けば不可能ではない。

続きはアゴラで。

スミス的な競争からダーウィン的な淘汰へ



市場経済は資本主義の必要条件だが、十分条件ではない。市場(等価交換)は数千年前からあるが、資本主義(不等価交換)は最近300年以内の現象である。経済学の教科書には前者しか書いてないが、これは奇妙である。もし市場経済が新古典派経済学のいうように等価交換だとすれば、価格は限界費用と一致して、利潤はなくなってしまうからだ。

逆にいうと企業が存在しているのは、価格が何らかの原因で限界費用と均等化しない「不完全性」があるからだということになる。これは過渡的な状態で、最終的にはワルラス的な一般均衡に到達するはずだ、というのが新古典派経済学である。そこでは資源配分は効率的になり、それは(完璧な)社会主義と同じになる。

かつてインターネットは、そういう「摩擦のない世界」を創造すると思われていたが、そういう世界は新古典派の想定する「完全競争」にはならない。そこではJBpressにも書いたように、GAFAと呼ばれる「グローバル独占企業」が圧倒的な市場支配力で新規参入を排除する。そこで起こっているのはアダム・スミス的な競争ではなく、ダーウィン的な淘汰である。

続きは7月30日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

テレビ局の「帯域」に電波利用料を

日経新聞によると、総務省の有識者会議が電波利用料の「格差是正」のため、携帯電話業者の利用料を下げる方針だという。これは規制改革推進会議の電波改革でも大きなテーマだったが、オークションと取り違える人がいまだに多い。

電波利用料は1990年代にオークションを見送った代わりに郵政省が設けた制度で、オークションのように電波を有効利用する機能はない。しいていえば固定資産税のように非効率な電波利用に「課税」すれば有効利用を促進する効果があるが、今の電波利用料は無線局の数に比例して課金されるので逆効果だ。

続きはアゴラで。

UHF帯を5Gに開放すれば日本はトップになれる

次世代の無線「5G」についての話題がいろいろ出ているが、今ひとつ盛り上がらない。その原因は、用途がIoTなどの業務用無線に限られ、携帯電話などの公衆無線とはあまり関係ないからだ。割り当てられる予定の3.7GHz帯や4.5GHz帯は、今はマイクロ波の固定無線に割り当てられている。直進性が高く減衰が大きいので、ビームを絞らないと届かないのだ。

それをカバーする技術も開発されているが、電波の物理特性は半導体技術でカバーできない。今の高い周波数では、基本的に固定無線やホットスポットのような用途と考えたほうがいい。それはそれでマーケットがあるが、公衆無線よりはるかに小さい。ビームを絞って正確に当てる必要があるので、自動運転のような移動端末に使うのは適していない。

だがアメリカやEUでは、今の携帯端末と同じUHF帯に5Gを導入する計画が始まっている。たとえばTモバイルは、来年にも600MHz帯で5Gを導入する。EUも700MHz帯の割り当てを行う予定だ。そして日本では、UHF帯は大幅に余っている。テレビ局の使っていないホワイトスペースの200MHzを区画整理すれば、5Gで日本は世界のトップランナーになれる可能性もある。

続きは5月14日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。

地デジのIP再送信を禁止する著作権法

今週のシンポジウムで、TBSの人から「キー局もインターネット配信したいが、著作権法が障害になってできない」という質問があったので、調べてみて驚いた。いまだに著作権法は、ケーブルテレビなどによる地デジのIP再送信を実質的に禁止しているのだ。

著作権法では、通信の場合は個別に著作権の許諾が必要になるが、IPマルチキャストのような放送型サービスは「有線放送」なので包括契約でよい、というのが世界の常識だ。ところが文化庁は「IPマルチキャストは通信だ」と主張し、2006年に著作権法を改正して、IP再送信は放送ではなく自動公衆送信という通信の一種と規定した。CATVは包括契約なのに、IPマルチキャストだけは「送信可能化」なのだという。

これによってテレビのIP再送信はほぼ不可能になったが、地デジの再送信だけは例外として「専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として送信可能化を行うことができる」と放送エリアを県域に限定して認めた。このためTBSの放送は、東京都内にしか流せない。ネット配信すればキー局の番組は全国に流せるのに、配信業者は隣の県では見られないように1年ぐらいかけて県境でルータの工事をしなければならない。続きを読む

VHF帯で無線インターネットを



きのうのシンポジウムで原英史さんもいったように、電波の制度は20年以上変わっていない。その間に、電波は有線の通信を補完するインフラから主役に変わったのに、制度がそれに対応していないのだ。オークションばかり話題になるが、それは改革の一部にすぎない。

続きはアゴラで。

楽天は「第4のキャリア」になれるか

楽天が携帯キャリアへの参入を表明した。適時開示によると、総務省が今年度中に比較審査で割り当てる予定の1.7GHz帯と3.4GHz帯の割り当てを受けようということらしい。業界には懐疑的な見方が多く、楽天の株価は下がったが、私はチャンスはあると思う。その最大の理由は、日本では通信に適した帯域の電波が余っているからだ。


続きはアゴラで。

UHF帯は無線インターネットで使える

規制改革推進会議の答申は、電波オークションを導入する方向で決着したようだ。
新たに割り当てる周波数帯について、その経済的価値を踏まえた金額(周波数移行、周波数共用及び混信対策等に要する費用を含む。)を競願手続にて申請し、これを含む複数の項目(人口カバー率、技術的能力等)を総合的に評価することで、価格競争の要素を含め周波数割当を決定する方式を導入する(平成30年度中に法案提出して法整備)こととし、そのための検討の場を設ける。
というのは「オークションの方式を2018年度中に決める」という意味だ。これは当然だが、問題は競売にかける帯域があいているのかということだ。その最大の目玉はテレビ局の占有しているUHF帯だが、答申は
地上デジタル放送において割り当てられている周波数帯については、時間的・地理的条件などにより生じる空き周波数を動的に割り当てるような新技術の活用等により、帯域の更なる有効利用が可能との指摘がある。
と書いている。この「空き周波数を動的に割り当てるような新技術」とは、SFNやオーバーレイ(共用)のようなものを想定していると思われる。テレビのチャンネルを変更してクリーンに200MHzあけることがベストだが、民放連は抵抗しているので、今のまま「動的に割り当てる」ことも可能だ。ホワイトスペースを使う公衆無線LAN技術もある。

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UHF帯のホワイトスペースをこういうオーバーレイ技術で活用すれば、日本は無線インターネットで世界のトップになれる。電波が開放されれば、大きなビジネスチャンスが開けるのだ。12月19日には緊急シンポジウムを開催する予定だ。

続きは12月4日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。

政治主導で「電波村」のコンセンサスは破壊できる

長い間、冬眠していた電波の問題が、ようやく動き始めたようだ。日経新聞によると、規制改革推進会議が29日にまとめる答申で、価格競争の要素を含め周波数帯の割り当てを決める方式を導入するという方針を盛り込み、総務省は来年の通常国会に電波法改正案に提出するという。

ここまで来ても総務省が普通のオークションを拒否するのは、産経新聞によると「価格の転嫁で利用者料金高騰などの懸念が生じる」からだというが、これは逆である。本質的な問題は、オークション以外の方法では新規参入ができないということだ。

続きはアゴラで。

【速報】総務省が電波オークションを拒否

総務省が「第4世代移動通信システムの普及のための周波数の割当て」についての意見募集を行う。これは従来の「比較審査」方式で業者を選定するもので、規制改革推進会議の検討している電波オークションを否定する意思表示である。


続きはアゴラで。






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