➡ 現実の戦争指導は、避難、逃げる、いったん撤退と攻撃などの組み合わせ。命よりも大切なものがある、全市民による抵抗が必要、一般市民の犠牲やむなし、市民の命を守るためでもいったん武器を置くことは不可、死ぬまで戦う、と叫んでいた日本の政治家や学者、識者などは危険極まりない。
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) July 5, 2022
「命より大事なものはない」というのは橋下徹氏の信念らしく、何度もツイートしている。誰でも死ぬのはいやだから、逃げるのは個人としては合理的な行動だが、集団としてはそうではない。
もし橋下氏が首相になったら、戦争のときはまず国民に「逃げろ」と指示し、自衛隊にはただちに投降を命じるだろう。それによって犠牲は最小化されるようにみえるが、日本が降伏するとわかっていたら、中国は戦争を仕掛けてくるだろう。
集団の中では利己的に行動することが合理的だが、そういう利己的な個体ばかりの集団は生存競争に勝てないというパラドックスは、社会生物学で集団淘汰の法則として知られている。
利己的な個体は利他的な個体に勝つが、利他的な集団は利己的な集団に勝つ。
この法則はすべての生物に当てはまるが、人類にとっては特に重要である。人間は集団の中でしか生存できないので、戦争で命を賭けて集団を守ることは個人にとっては合理的ではないが、集団にとっては合理的なのだ。このパラドックスを解決するためにできた制度が国家である。
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