通信自由化は「新自由主義」の輝かしいサクセスストーリーである。1984年にAT&Tが分割されたのは司法省との訴訟の和解の結果で、成功すると予想した人は少なかった。規制から解放された長距離電話部門(AT&T)は、コンピュータを開発してIBMと並ぶ巨大企業になるが、各州内の電話網しかない地域電話会社(ベビーベル)は没落すると思われた

ところが現実は逆だった。長距離通信にはワールドコムなど多くの新しい通信業者が参入し、競争が激化してAT&Tは没落したが、ベビーベルは独占利潤を上げ、逆にAT&Tを合併した。特に1990年代にインターネットが発展したとき、新しい通信業者がたくさん出てきて、急速な技術革新が実現した。

多数のパケットを中央でコントロールするシステムはなく、いずれインターネットは渋滞して崩壊すると予言した専門家もいたが、そうならなかった。それは通信が回線交換からパケット交換(蓄積交換)に変わり、混雑してもパケットをルータに蓄積して送り直せる冗長性ができたからだ。

それに対して電力自由化は、各国でも大停電が起こったりして成功とはいいがたい。特に日本では、2010年代に再エネFITと一緒にやったため、今の大混乱が起こっている。その違いは何だろうか。

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