道徳と宗教の二つの源泉 (ちくま学芸文庫)
いま日本が直面している変化は、江戸時代から続いてきた閉じた社会が、いろんな意味で開かれた社会にならざるをえないということだろう。本書はこの二つの概念を最初に提示した本である。

ベルクソンは、閉じた社会は過去に終わった社会ではないと指摘し、それは今も人々の心に中に残り、偏狭な愛国心として戦争の原因になると考えた。しかし閉じた社会は、戦争を抑止するシステムだった。それは農業なき定住社会として1万年の平和を維持した縄文時代が示している。

それに対して中国の開かれた社会は、軍事国家だった。梅棹忠夫の図式でいうと、遊牧民から農耕文明を守るために中国(Ⅰ)、インド(Ⅱ)、ロシア(Ⅲ)、イスラム圏(Ⅳ)では専制国家が発達し、18世紀以降、西欧とユーラシアの大分岐が起こった。

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冷戦の終了をわれわれは「民主国家の勝利」と考え、中国がグローバル市場に参入して大収斂が起こると考えたが、今ウクライナで起こっているのは、その再分岐である。この二つの文明圏は、和解不可能なのだろうか。

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