エブリシング・バブルの崩壊 (集英社学芸単行本)
世界同時株安が進行している。ナスダック総合指数は史上最高値の1万6000ドルから27%下がり、日経平均は13%下がった。

今回のバブルの主役は、1990年代末のドットコムバブルと同じくITである。その典型はGAFAMなどのハイテク銘柄ばかりを集めたARKKイノベーション・ファンドで、最高値から62%下がった。

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バブルは必ずしも悪いことではない。1990年代末のITバブルでは、アマゾンやグーグルが生まれた。日本の問題は、むしろバブルに乗ったライブドアなどを社会から追放し、GAFAMのようなグローバル企業を生み出せなかったことだろう。

ただ20年前と比べて、今回のバブルは振幅が大きい。次の図のようにVIX指数(ボラティリティの指標)は、2020年のコロナのとき2008年のリーマンショックのときと同じぐらい暴落し、その後も高い水準のままである。この点ではサブプライム・バブルに似ている。

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リーマン後の世界金融危機とコロナ後の危機には共通点がある。その短期的な原因は、大幅な金融緩和で過剰流動性が生じたことだ。今回も昨年秋までFRBがインフレを無視して量的緩和を続けたため、株式や不動産や暗号通貨のバブルが発生した。それを年末から急に引き締めたため、バブル崩壊が始まったのだ。

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