ウクライナ侵略について、米バイデン大統領は「戦争犯罪」と断定し、岸田首相は「国際法違反だ」と言ったが、その目的はいまだにはっきりしない。特定の民族を絶滅させるジェノサイド(民族浄化)は国際法違反だが、プーチン大統領はそういう目的を表明していない。

しかしロシア国営のRIAノーボスチ通信は、署名記事の形で「ロシアはウクライナで何をすべきか」というロシア軍の方針を発表した。これはロシア軍がウクライナの非ナチ化(de-nazification)が目的だと書いている。自動翻訳で引用しよう。

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非ナチ化は、人々のかなりの部分(おそらく大多数)が習得され、その政治においてナチス政権に引き込まれたときに必要です。つまり、「国民は良い・政府は悪い」という区別が機能しないのです。非ナチ化は、戦争犯罪者として技術的に直接の罰を受けることができない、人口の非ナチ化された集団に関連する一連の措置です。

武器を取ったナチスは戦場で最大限に破壊されるべきです。民兵を区別する必要はありません。これらの2つのタイプの軍隊に加わった領土防衛。それらのすべては、民間人に対する極度の残虐行為に等しく関与しており、ロシア人の大量虐殺についても同様に有罪であり、戦争の法律や慣習を遵守していません。

ナチズムの実践に関与している組織はすべて清算され、禁止されています。しかし、トップに加えて、ナチズムの共犯者である受動的なナチスである大衆のかなりの部分も有罪です。彼らはナチスの力を支持し、甘やかしました。人口のこの大衆のさらなる非ナチ化は、ナチスの態度のイデオロギー的抑圧(抑圧)と厳格な検閲によって達成される再教育にあります。
この文書のいう「ナチス」は「受動的な大衆」を含むウクライナ人をさすので、非ナチ化とは(軍民を問わず)彼らがナチスとみなしたウクライナ人を最大限殺すという意味である。

ここではロシア軍の目的は特定の地域を領有することではなく、ウクライナ人の絶滅である。プーチンにとってはウクライナ人は同じ民族なので「民族浄化」ではないが、「集団殺害」という意味ではジェノサイドといえよう。ウクライナのゼレンスキー大統領は「このRIAの文書は戦争裁判で証拠として採用されるだろう」と述べた。

ウクライナは主権をもつことができない

ブチャなどで起こった虐殺は、ロシア軍の指令なのか、それとも現場の兵士がロシア軍の伝統である虐殺・掠奪・強姦をやっただけなのかは、今のところはっきりしないが、この文書はウクライナの主権を剥奪し、ロシアの一部とするという目的を明言している。
非ナチ化は勝者のみが実行できます。これは(1)非ナチ化プロセスに対する彼の絶対的な制御、および(2)そのような制御を保証する力を意味します。この点で、非ナチ化された国は主権を持つことはできません。非ナチ化国家であるロシアは、非ナチ化に関してリベラルなアプローチで進むことはできません。非ナチ化のイデオロギーは、非ナチ化の対象となった有罪者が異議を唱えることはできません。

ロシアは、現在のウクライナの状況ではウクライナ全体のクリミア化シナリオは不可能だと認識しています。このシナリオは2014年の反抗的なドンバスでは不可能でした。ナチスの暴力とテロに対する8年間の抵抗は、ウクライナとの統一とつながりを維持することを意識的に明確に拒否することにつながりました。

「ウクライナ全体のクリミア化シナリオ」というのは、ウクライナ全体をクリミアのように併合するという意味だろう。
非ナチ化は1世代以上続く必要があります。これは、非ナチ化の条件下で生まれ、成長し、成熟する必要があります。ウクライナの非ナチ化は、少なくとも1989年にウクライナのナショナリズムが合法かつ合法的な形の政治的表現を受け、ナチズムへの「独立」運動を主導したときから、30年以上続きました。

「ウクライナ」という名称は消滅する

ウクライナは、現在のクリミアのようにロシアの一部となり、ウクライナという名称も消滅する。それはウクライナ人という民族を絶滅することでもある。
「ウクライナ」という名前は、ナチス政権から解放された領土内の完全に非ナチ化された国家組織の称号として保持することはできない。彼らの政治的願望は中立的ではあり得ない。それを敵として扱うためのロシアの前での罪悪感の消滅は、回復、復活、発展の過程でロシアに依存することによってのみ実現することができます。非ナチ化と両立する、イデオロギー的かつ実践的な意味での「中立性」はあり得ない。

非ナチ化は必然的に非ウクライナ化でもあります。グルジアやバルト諸国とは異なり、歴史が示しているように、ウクライナは国民国家として不可能であり、それを「構築」しようとすると、当然ナチズムにつながります。ウクライナ主義は、独自の文明の内容、エイリアンとエイリアン文明の従属要素を持たない人工的な反ロシアの構造です。

したがって、ウクライナの非ナチ化は、必然的な非ヨーロッパ化でもあります。具体的には、以下のような変革を含みます。
  • 武装したナチスの組織の清算
  • 解放された領土の公的自治組織と民兵(防衛と法執行)の形成
  • ロシアの情報スペースの設置。
  • すべてのレベルでの教育の撤回と教育プログラムの禁止。
  • 戦争犯罪、ナチス政権への支援に対する個人的責任を確立するための大規模な調査行動。
  • ナチス活動の罰として破壊されたインフラを回復するための強制労働に彼らを巻き込む(死刑または懲役の対象とならない人々の中から)
  • 25年間の恒久的な非ナチ化団体の創設。

「ナチス」という言葉は定義されず、すべての悪の代名詞となり、ロシア軍がナチスとみなしたものは、すべて殺すか強制労働させることになっている。これはウクライナ人を絶滅するという意味のジェノサイドと認定されることを避けながら、実質的にウクライナ人の民族浄化をめざすものである。