為替は1ドル=125円をつけた後、やや戻して122円台になっているが、これで落ち着くと思っている人は少ない。日銀が指し値オペで、長期金利に0.25%という天井を設けているので、FRBが利上げするほど日米の金利差が開き、円安になるからだ。

しかし本質的な問題は金利ではない。それは短期の鞘取りの結果であり、購買力平価(PPP)でみると、円安はオーバーシュートしている。PPPの簡単な目安としておなじみのビッグマック指数でみると、日本では390円だが、アメリカでは5.8ドル(707円)。名目為替レート(円/ドル)は41.7%も過小評価されている。

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ビッグマック指数(Economist)

「円高で大変だ」と騒いでいた2010年の1ドル=80円ぐらいが、PPPでみると適正だった。これが昔の経済学で考えていた均衡水準(貿易財のPPP)に近いが、現実にはそこから大きく円安方向に振れたまま戻らない。

その一つの明らかな原因は、日米のインフレ率の差である。アメリカでは毎年2%ぐらい物価が上がり、最近では7%近いが、日本はほぼゼロ%のままだったので、それが積み重なって40%以上の差になったのだ。これはPPP(1ドル=約90円)に戻るだろうか?

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