今回のロシアのウクライナ侵略の原因は、ドイツのエネルギー政策だ。もともと産業用エネルギーの半分近くをロシアからのパイプラインで調達しているドイツは、エネルギー供給に脆弱性を抱えているが、昨年12月31日に原発3基を停止し、今年末で原発ゼロになる。最後の命綱だった原発をみずから断ち切る自殺的な政策である。

わからないのは、欧州経済の中心であるドイツ人が、このように支離滅裂なエネルギー政策をとるのはなぜかということだ。それを考える上では、ドイツ人の半分が旧東ドイツの出身だったということが重要な意味をもつ。彼らは市場経済を知らないで育った。社会主義が悪夢だということは身をもって知っていたが、資本主義には嫌悪を抱いていた。

彼らが社会主義の代わりに見つけた「正義」が、地球環境問題だった。彼らは東ドイツで「同盟90」を結成した。西ドイツの緑の党は、1960年代の新左翼の残党だった。東西ドイツの極左政党は、ドイツが統一された1990年に合併して「同盟90/緑の党」となった。

それが今はSPD(社民党)とともに政権を取っている。外相は緑の党がとり、気候変動問題特使にグリーンピースのジェニファー・モーガン事務局長(ドイツ国籍をもっていない)を任命した。彼らがドイツ経済を脆弱化してロシアに従属させるのは当然である。それは資本主義を弱体化させる破壊工作なのだ。

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