縄文時代史
日本は約1万3000年前に定住社会になったが、3000年前まで農耕は始まらなかった。このように定住社会で1万年にわたって平和が続いたのは、世界的にも珍しい。

普通は定住すると農耕するようになるので、潅漑などの共同作業のために国家が生まれ、戦争が起こるが、縄文人は国家をつくらず、戦争もなかった。縄文時代の遺跡から発掘された6000体の人骨のうち、殺傷痕があるのは15体ほどで、人を殺傷する武器も発掘されていない。

その原因は謎だが、一つの答は日本列島が豊かだったということだろう。資源が少なく人口が多いと、資源を争う戦争が起こるが、縄文人は栗などの果樹に恵まれ、漁業も発達したので、資源を争う戦争が起こらなかった。農耕社会のように土地をめぐる争いも起こらなかった。

このような1万年の長い平和で蓄積された平和の文化遺伝子は、現代の日本人にも影響を与えているはずだ。もちろんこれは厳密な意味でのDNAの遺伝ではない。文化は遺伝しないが、文化を受け継ぐ能力は遺伝する。

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