政治神学 主権の学説についての四章(日経BPクラシックス) (NIKKEI BP CLASSICS)
11月24日の東京のコロナ感染者は5人。もはやゼロコロナといってもいい状況だが、政府は行動制限を解かない。このように人権を侵害する状況は、近代国家の例外状態である。

本書は20世紀の古典の新訳だが、冒頭の「主権者とは例外状態について決定をくだす者をいう」という言葉は、法学部の卒業生なら誰でも知っているだろう(そこしか読まなかった学生も多いと思う)。

コロナは最初、例外だった。移動の自由を制限するロックダウンは、近代国家の根本的な人権をおかすものだ、とアガンベンは警告したが、それはなし崩しに世界に広がり、例外は日常になってしまった。

移動の自由は近代国家のコアである。その原型となった都市国家は、権利を侵害する国や税金の高い国から移動するexitの権利が保障されていたから、競争が機能した。移動の自由を国家が制限するロックダウンや緊急事態宣言は、近代国家を規律づける原理を国家が否定するものだ。

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