一揆の原理 (ちくま学芸文庫 コ 44-1)
アゴラでも紹介したが、今月から申請の受付が始まったインボイスがちょっと話題を呼んでいる。これは消費税の請求書を各段階で記録するという当たり前の話だが、日本では20年以上それが免除されてきた。このように税金をごまかす権利が公然と主張されるのは日本の特徴である。

民主国家では税は公共サービスの対価なので、問題は負担と受益の関係であって税額ではないが、日本では公共サービスのコストという意識がないので、とにかく増税はいやだ考える。これは税を一方的に取られる年貢のようなものだと思っているからだろう。消費税で政権が倒れるのは、百姓一揆のようなものだ。

本書は一揆の起源を室町時代に求め、初期の一揆は契約にもとづく結社の性格が強かったという。それは戦乱の続く中で農民が自衛する組織で、武士と未分化だったが、江戸時代になると定住して武士が武力を独占したので、百姓が武士に異議申し立てする百姓一揆が起こった。

しかし百姓一揆は、武士には百姓の生活が成り立つようによい政治を行う義務があるという「御百姓意識」にもとづく待遇改善要求であり、体制を打倒する目的はなかった。一揆は万年野党のようなもので、このとき百姓の出した最大の要求は新たに検地をするなということだった。つまり正確に課税しないことが最大の要求だったのだ。

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