このごろ「安い日本」がよく話題になる。たとえば渡辺直美さんはこう言っている。
やっぱニューヨークはもう大変。住んでみて分かったんですけど、食べ物が高い。ビックリしました。朝、目玉焼き2個と、ちょっとアボカドを乗せたのとパン、ツナサラダで7000円。マジで70ドルしたんですよ、2人で。

マネックス証券のコンサルはこう書いている。
大戸屋で、さばの炭火焼定食を食べると840円です。 それがニューヨークにある大戸屋では22ドル(約2400円)と日本の2.8倍です。日本で鶏と野菜の黒酢あん定食を食べると890円ですが、ニューヨークの大戸屋では21ドル(約2310円)と日本の約2.6倍です。

この原因は単純である。円が購買力平価に比べて大幅に過小評価されているからだ。購買力平価の指標にもいろいろあるが、有名なビッグマック指数でみると、こんな感じだ。

BigMac-index-USDJPY-202001

2013年からドルの名目為替レートは大幅に上がったが、円の購買力平価(ビッグマックの価格)はほとんど変わっていないので、結果的に円は40%ぐらい過小評価されている。その最大の原因は、明らかに黒田日銀の量的緩和である。それは隠れた円安誘導だったからだ。ではどっちのレートが適正水準なのか?

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