核廃棄物は全国の原発に1万8000トンあり、使用ずみ核燃料プールの75%が埋まっている。これを再処理しないとプールがあふれて原発が止まる――という話がよくあるが、これは錯覚である。

使用ずみ燃料を中間貯蔵する場所はいくらでもある。各発電所のサイト内にキャスクを置いて乾式貯蔵すればいいのだ。四国電力の伊方原発と九州電力の玄海原発では工事が始まっている。



今は最終処分までの一時的な保管方法ということになっているが、このまま100年置いても200年置いてもかまわない。乾式貯蔵は1980年代にできた枯れた技術で、安全性は問題ない。空気が循環するだけで冷却できるので、何もしないで放置しておけばいい。

サイト内だから立地問題はなく、警備もできる。何か起こっても地上に置いてあるので、すぐ対応できる。再処理をやめたアメリカでは、原発の廃棄物はすべてこの方式で処理しているが、何の問題も起こっていない。

Fuel Storage
アメリカの発電所内のキャスク(connyankee.com)

つまり地下数百メートルに埋める「最終処分」は必要ないのだ。今まで最終処分は地層処分でやるという固定観念があり、「核のゴミ捨て場」になるのはいやだとか「10万年後の安全」がどうしたとかいう議論があるが、こんな話は無意味である。

最終処分地が見つからなくても、中間貯蔵地はむつ市や福島県など全国にあるので、そこにずっと置けばいい。六ヶ所村には300年分ぐらいの貯蔵スペースがあるので、地元との協定を改正して無期限に置けば、核廃棄物の問題は解決するのだ。それがヒッペルなどの提案である。

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