転売騒動は一段落したが、この問題は昔から論じられており、一般論としては答が出ている。転売屋がもうかるときは超過需要が発生しているのだから、それがゼロになるまで小売店が値上げし、メーカーが増産すればいい。それをしないで、抽選にしたり転売屋を取り締まったりするから混乱が起こるのだ。

ではなぜ小売店は値上げしないのか。この問題は自明ではない。この手の話は海外でもあり、行列ができることでプレミアム感を出すなどの理由があげられているが、日本の場合はそれとは違う。日本では小売店が零細でメーカーの価格支配力が強く、「業界秩序」を守るためにメーカーが値上げを許さないのだ。

昔は、全国に「町の電気屋さん」があった。松下電器はナショナルショップだけに商品を卸し、安売りを許さなかった。ダイエーが安売りをしたため、松下はダイエーに出荷せず、訴訟を起こされて松下が負けたが、幸之助が死ぬまで出荷しなかった。これは系列店を生かさぬよう殺さぬように維持して、定価販売を守る知恵だった。

今も日本の小売店は零細で、労働生産性がアメリカのほぼ半分である。そのかなりの部分はコンビニで系列化されたが、コンビニでも定価販売(ヤミ再販)というカルテルが行われている。この流通機構の非効率性が、日本経済の停滞する大きな原因である。

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