裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐
1921年7月1日、中国共産党が創立されたことになっているが、実際には23日だったらしい。創立大会に参加したのは13人で、その資金はコミンテルンが負担した。中国共産党という組織に実態はなく、コミンテルンが国民党を乗っ取るためのダミーだった。

しかし国民党との勢力の差は大きく、内戦でも共産党は敗退を続け、延安に逃げて西北革命根拠地を置いた。このとき延安を守ったのが、習近平の父、習仲勲だった。彼は毛沢東の信頼を得たが、1950年代に鄧小平に陥れられ、失脚した。

その後、鄧小平は文化大革命で失脚したが、毛沢東の死後に復権した。習仲勲も復権したが、またしても鄧小平の陰謀で失脚し、二度と復権できなかった。習近平の行動の根底には、父を政治的に葬った鄧小平への恨みがあり、そのために彼の路線を逆転させた。それは次のようなものだ。

 ・改革開放で生まれた腐敗の根絶
 ・拡大した経済格差の解消
 ・経済重視で弱体化した軍事力の増強

習近平の本質が父の恨みだけで語れるとは思えないが、本書の推測する鄧小平の陰謀が事実だとすれば、彼の実像は日本や欧米のメディアで描かれるプラグマティックなまとめ役というイメージとは違う、ライバルを蹴落として生き残ってきた陰険な策士である。

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