Governing the Commons: The Evolution of Institutions for Collective Action (Canto Classics) (English Edition)
感染症対策は多くの国で、外出禁止令のような法的規制で行われ、日本のように「自粛」を要請する国は少ない。たとえば多くの飲食店が自粛しているとき、一つの店だけ営業すると、ただ乗りで利益を上げることができるからだ。これはコモンズの悲劇と呼ばれ、ゲーム理論でおなじみの(多人数の)囚人のジレンマである。

ワクチン接種にも、同じパラドックスが発生する。コロナの基本再生産数が2.5だとすると、60%の人が抗体をもつと集団免疫になるが、ワクチンには副反応のリスクがあるので、日本のように感染確率が低い場合は、自分は接種しないで他人が接種するのを待つことが合理的である。

コモンズの悲劇は、経済学では昔から研究されているが、これを実証的に解明したのがオストロムである。彼女は途上国のフィールドワークでコモンズがどう管理されているかを調査したが、伝統的社会ではコモンズの悲劇は見られない。

それはある意味では当然である。コモンズを濫用して土地が使えなくなったら、その村は滅亡してしまうからだ。このようなコモンズは石器時代からあったはずなので、人類は進化の歴史の中で、それに適応する感情を獲得したと思われる。それが利他主義である。

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