国立感染症研究所に日本の超過および過少死亡数ダッシュボードができ、コロナの死亡統計が見やすくなった。それによると、2020年1月~12月の過少死亡は5650~52430人。平均すると約3万人だ。

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つまり昨年の日本の死亡数は平年より約3万人少なかった。死亡数をみても、昨年の死亡数は一昨年より約9400人少なかった。日本の死亡数は毎年約2万人増えているので、平年より約3万人少なかったわけだ。

その最大の原因は、呼吸器系疾患が約2万人減ったからだ。中でも肺炎が約1万3000人減り、これだけで新型コロナの約3000人を大きく上回った。この最大の原因は自粛などの行動制限だろう。それはコロナだけではなく、すべての呼吸器系疾患にきき、特に肺炎球菌の感染を防いだ効果が大きかった。

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人口動態統計より

他方で出生数は2019年に比べて約2万5000人減ったので、自然減は約1万6000人になった。つまり日本のコロナ対策は少子高齢化を促進したのだ。

コロナ偏重の感染症対策をやめるとき

次の図の赤い線が昨年、青い線が2019年だが、特に前半は毎月1万人ぐらい死者が減っている。後半は10月と12月に(おそらくコロナが原因で)2019年より死亡数が多かったが、全体では死亡数が減った。

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これについてコロナ分科会の尾身会長は文藝春秋のインタビューで「平年より約3万人も死者が減った計算になる。(コロナ対策を)見直す余地はないのか」という質問に、こう答えている。
コロナ以外の一般医療も国民の健康にとって大切なものです。一人の高齢者にとっては、コロナによる死も、ほかの疾病による死も同じように死として近づいてくる。現在はパンデミックを抑止するために「コロナ診療」を重んじていて、結果、一般医療に犠牲を強いている可能性があります。いつまでこの構えを続けるのか。こうした状況は長くは続かせるべきではないと思います。

彼も感染症全体で過少死亡になったことは知っている。国民にとって大事なことは自分の余命がいつまであるかであり、コロナで死ぬかどうかではない。医療が特定の感染症を偏重する結果、「一般医療に犠牲を強いている」現状は尾身氏も知っているのだから、医療のバランスを平常に戻すべきだ。