選択的夫婦別姓は、法的には大した問題ではない。1996年に法制審で別姓の選択を認める民法改正案が答申されたが、閣議決定に至らなかっただけだ。菅内閣が閣議決定して法案を国会に提出すれば、自民党の一部議員を除いて公明党も野党も賛成するので、改正できるだろう。

これは「家族の絆」とは無関係だ。日本以外に夫婦別姓を禁止している国はないが、そういう国で家族の絆がなくなったという話は聞かない。「戸籍制度がなくなる」というのも誤解で、100%夫婦別姓の台湾にも(日本以外で唯一)戸籍がある。これは日本統治時代の遺物で、韓国では廃止された。

問題は、こんな当たり前の話が、なぜ25年ももめ続けているのかということだ。かつては「日本古来の伝統だ」という説もあったが、これは保守派の歴史学者も認める通り、学問的には問題にならない。日本古来の伝統にのっとるなら、夫婦別姓を義務づけるべきだ。

自民党右派が反対している(隠れた)理由は、旧民法の「戸主」を中心とする「家」制度を守るためだが、これにも誤解がある。戸主は明治31年(1898)に初めて定められたもので、このとき夫婦同姓(実質的には妻の同姓義務化)が定められたが、これは日本の伝統に反する制度だったのだ。

続きはアゴラ