「日本のコロナ死者が5000人を超えた」とマスコミは騒いでいるが、コロナで死んでもインフルで死んでも人命の重さは同じだ。コロナ以外の死者が5000人以上減ったら、全体の死亡数は減る。それが日本で起こったことである。図1は人口動態統計の速報値(昨年11月まで)だが、昨年のすべての死因による死亡数は125万人で、2019年より1万5000人減った。

死亡数
図1(人口動態統計速報)

その原因も人口動態統計でわかる。呼吸器系疾患(1~8月の累計)の死者が、昨年は2019年に比べて1万5000人減り、これでほぼ死亡数の減少が説明できる。そのうち肺炎が1万800人減り、インフルが2300人減ったが、誤嚥性肺炎は1100人増えた(図2)。これは8月までの死亡数なので、年間ではこの1.5倍ぐらいだろう。

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図2(人口動態月報)

誤嚥性肺炎は高齢者に特有の死因で感染しない。これが増える一方、呼吸器系の感染症死者が減ったのは、自粛で感染を防いだ他に、病院が呼吸器系の患者を隔離して肺炎の感染を防いだことが大きな原因だと思われる。

肺炎が減ったのは海外も同じだが、コロナの死者がそれよりはるかに多かったので超過死亡数(平年推定値に比べた死亡数の増加)は大きく増えた。それに対して日本ではコロナ死者より他の感染症の死者の減少が多かったので、超過死亡数がマイナスになった。

日本の感染症対策は大成功だったのだが、厚労省は人口動態統計の年間推計を出さず、超過死亡数の発表もやめてしまった。人口動態統計を隠しているのは日本と中国だけだ。

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