リフレ派がいなくなったと思ったら反緊縮やらMMTやら、ニセ経済学の種は尽きない。その最大の原因は、20年以上ゼロ金利が続いていることだろう。「財政赤字が大きくなると金利が上がり、財政が破綻する」と主流派の経済学は警告してきたが、何も起こらなかった。これは日本だけの現象ではなく、今はアメリカでもコロナ対策で世界金融危機の2倍の財政赤字が出ているが、何も起こらない。

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このように経済学の常識に反する現象が続くのは、1970年代のスタグフレーション以来である。このときは、財政赤字でインフレになっても失業率が下がらないのはなぜかが謎だった。これはフリードマンの自然失業率の理論で見事に解決され、このパラダイムがその後40年近く続いた。

いま世界が直面しているのは、財政赤字が増えても金利が上がらないのはなぜかという謎である。主流派の経済学がこれを説明できないので、永遠に金利はゼロと(理由もなく)仮定するMMTが正しいようにみえる。これはフィッシャーやサマーズもいうように70年代以来のマクロ経済学の危機だが、今は新しいパラダイムの生まれる「科学革命」の前夜かもしれない。

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