学術会議をめぐる議論が迷走している。菅首相が105人の推薦のうち99人の名簿しか見ていなかったことが「日本学術会議の推薦に基づいて内閣総理大臣が任命する」という学術会議法に違反していると野党は騒いでいるが、彼らは内閣に上がってくる膨大な決裁文書を首相がすべて見ろとでもいうのか。

「内閣総理大臣が〜する」という実務は内閣のスタッフが行うのであり、この場合は杉田官房副長官(内閣人事局長)だろう。ただこれは首相が本件をそれほど重視していなかったことを示唆している。今のような騒ぎになることを計算していたら、落とした6人の名前ぐらい見たはずだ。

内閣法制局の1983年答弁についての矛盾した説明も、準備不足をうかがわせる。もともと内閣が諮問機関の人事をその機関に白紙委任することはありえないので、民主的統制のまったくきかない従来の運用が異常であり、今回はそれを正常化しただけだ。

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