東京都の検査陽性者数が連日200人を上回り、「第2波」と騒がれているが、この最大の原因はPCR検査が増えたためだ。おまけに検査キットの感度が上がって軽症・無症状を検出するようになったため、忽那賢志氏が指摘するように、4月には氷山の一角しか見えなかったコロナの全体像が見えるようになったものと思われる。

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東京都の検査人数・陽性者数と陽性率(右軸)

図のように4月11日のピーク時には約300人の検査のうち31.7%が陽性だったが、第2のピークだった7月16日には約4200人のうち陽性は6.1%である。4月に検査した分母は保健所に症状を訴えた「患者」だったが、今回は無症状が多いと思われる(その比率は不明)。年齢も60%が30代以下なので、死亡リスクはゼロに近い。今月の死者は90代の患者2人だけだ。

問題は陽性者の数ではなく、医療資源の制約である。東京都の重症患者は14人だが、ICUベッドは100床ある。陽性者数は増えているが、重症患者はほとんど増えていない(最近は減っている)。

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東京都の医療資源

マスコミは「ベッドが足りない」と騒いでいるが、入院患者949人に対してベッドは2800準備されている。コロナ患者の大部分は入院する必要のない軽症だが、指定感染症なので感染症指定医療機関がコロナ患者に占拠され、それ以外の患者の手術ができなくなっている。これが医療の現場を混乱に陥れている最大の問題である。

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