新型コロナが一段落したと思ったら、西浦博氏が今度は「第2波が危ない」というシミュレーションを発表し、そのモデルがウェブサイトで公開されている。今度は確率過程を使っているが、彼はこう説明する。

ここでは、COVID-19のR(実効再生産数)は「1.6」という、現実的な値を使います。被害想定で使っている「R=2.5」とは分けて考えてください。これは全くプレーンな状態、“丸腰”で入国者を受け入れる場合です。これに対して、「1.6」、時に「1.7」という数字を使うこともありますが、これらは日本でいろいろな対策を実施し、人々が行動変容している時の数値としましょう。

これまでの2.5という設定は「現実的な値」ではなかったと反省しているが、計算結果は次の表のようになっている。

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感染率0.1%とすると、90日間で9万人が入国するとき感染者は90人だが、検疫なしだと大規模流行が起こる確率は99.9%。停留とPCR検査をすると35.3%になる。72万人が入国する場合は感染者が720人なので、PCR検査しても96.9%の確率で大規模流行が起こる。

これは日本の輸入感染の実績とはまったく違う。押谷仁氏の推定では、2月から3月にかけて「入国した感染者の実数は1000人~2000人くらい」だったが、4月に入って感染は収束した。このシミュレーションの最悪の場合(感染者720人)よりはるかに多い感染者が入っても、感染爆発は起こらなかったのだ。

この食い違いの原因は明らかである。またしても西浦氏のRt=1.6という設定が過大なのだ。このモデルを使っても、4月に感染がピークアウトした原因は、大澤省次氏の推定するように日本国内ではRt<1だったからと考えるしかない。

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