世の中ではようやく「8割削減は役に立たなかった」という認識が広がっているようだ。次の図でもわかるように、4月7日の緊急事態宣言で新規感染者数の減少率は変わらず、実効再生産数Rtにも変化がなかった。公平にみて、8割削減の効果はほとんどなかったというしかない。

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図1 新規感染者数(棒グラフ・右軸)とRt(左軸)専門家会議の資料より

では3月25日に行われた小池都知事の「感染爆発の重大局面」だという記者会見はどうだろうか。その直後に感染がピークアウトしたので、一つの原因としては考えられるが、特措法の発動より弱い東京都だけの記者会見で、全国の感染者数にそれほど大きな効果があったとは思えない。Rtは会見の1週間前の3月中旬から下がっている。

3月後半に大きく変わったのは、海外からの入国者の激減である。2020年1月に来日した外国人は266万人だったが、2月は108万人、3月は19万人、4月はわずか1300人になった。この時期にEUから入国した外国人がウイルスを持ち込んだ疑いが強い、というのが国立感染症研究所の見方である。

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図2 新規入国者数(日本政府観光局調べ)

EUからの入国拒否が始まった3月上旬に感染が拡大したが、月末までにアメリカを含めて全面的に入国拒否した。この水際対策で「輸入感染」が止まったと考えることができるが、この推定はデータと合わない。図1を見てもわかるように、検疫で陽性が判明した輸入感染者は累計で159人しかいないのだ。

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