きのうの専門家会議の提言が批判を浴びている。最大の問題はコロナウイルスの感染力を示す実効再生産数Rが0.7なのに、緊急事態宣言の延長を決めたことだ。世界的にはドイツのようにR<1を基準にしてロックダウンを解除するのが常識で、3月下旬から全国平均でRは1を下回り、東京でも今は0.5程度である。

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これに対して「基本再生産数は2.5だから自粛をやめると感染爆発が起こる」という人がいるが、こういう人は再生産数の概念を理解していない。これはいろいろな定式化があるが、SIRモデルの簡単な微分方程式で書くと、

 dx/dt=R0(1-x-y)x-x
 dy/dt=x

ここでR0が基本再生産数、xが感染者、yが治癒者の人口比で、x=y=0とするとdx/dt=R0となる。つまりR0感染速度の初期値であり、感染が拡大した後は実測されない数値なのだ。実際の感染はR0だけではなくノイズも含めた変数で決まり、その微分係数(+1)がRだから、西浦博氏

 R=(1-p)R0<1

という基準は、3月下旬から満たされている。ここで彼がR0=2.5という架空の数値(武漢やドイツの値)を設定して「6割削減」とか「8割削減」という目標を設定したことが誤りなのだ。上の図を見ればわかるように、そんな数値は日本では2月上旬を最後に観測されたことがない。

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