こういう議論が(集団免疫論に好意的な人にも)多い。これはスウェーデンと日本の再生産数が同じだという想定にもとづいているが、日本で「4、50万人死亡する」ことはありえない。東京の実効再生産数Rは1.7、全国平均では1を下回っている。全国のRが平均1.2だとすると、集団免疫が成立する人口比Hは

 H=1-1/1.2=0.17

だから、約2140万人が感染すれば集団免疫が成り立つ。致死率を(ヨーロッパ並みに)0.1%とすると、死者は約2万人。SIRモデルで重症化率を1%として計算すると、重症患者数はピーク時で約1万8000人になる。

sir424
日本の重症化率(R=1.2の場合)

これだとICUベッドに収容できる6000人を上回る可能性があるが、いま日本の重症患者は累計263人、死者は317人で、新規重症患者は減っている。これが今から何万人にも増えることは考えられないので、重症化率はこの計算よりはるかに低いものと思われる。

今までの実績でも死亡率はヨーロッパの1/100以下なので、重症化率0.1%、致死率0.01%というのが妥当なところだろう。これだと死者は2000人程度で、インフルエンザとほぼ同じである。

Rが小さくなると感染が収束する期間はながくなる(この計算では約1000日)が、これは問題ではない。医療資源の制約を考えると、ゆるやかに感染が広がることは望ましい。問題は日本の再生産数や重症化率がこんなに低いのはなぜかということだ。

追記:シミュレーションに誤りがあったので、データを修正した。

続きは4月27日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)。