NYタイムズのモトコ・リッチ記者が、安倍首相の緊急事態宣言を「遅すぎ、弱すぎる」と批判している。ご親切なことだが、アメリカの死亡率(100万人あたり死者)は39人、日本は0.7人。優等生が劣等生に教えてもらう必要はない。

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各国の感染率(札幌医科大学)

NYタイムズだけでなく「日本はこれからアメリカのようになる」とか「クオモはすごいが、安倍は無能だ」という話が海外在住の日本人に多いが、それは逆である。上の図でもわかるように、日本で患者が増え始めたのは2月中旬だが、アメリカでは3月上旬。ほぼ1ヶ月遅れで流行が始まり、アメリカが日本を追い抜いたのだ。

この原因は単純で、アメリカの検査体制の立ち上がりが遅かったことだ。日本の感染者が増えない一つの原因はPCR検査が増えないことだったが、検査が増えてもあまり変わらない。これは中国や韓国も似ており、死亡率は明らかにヨーロッパよりアジアのほうが低い。

この原因はBCGの効果だけでなく、アジアの中で昔から人的交流が多く、免疫ができていた可能性もある。日本にウイルスが入ってきたのも、昨年末からだったと思われる。アメリカでは今ウイルスが増えているが、日本はすでに増えたウイルスを検査で発見しているので、今からアメリカの後を追うことは考えられない。

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