今週になってBCGをめぐる議論がネット上で沸騰しているが、誤解も多いので、私が理解した範囲で事実を確認しておく。

まず「BCGの医学的な効果が確かめられたわけではない」というのは本当である。今のところ、BCG接種を義務づけている国の新型コロナ死亡率が低いという疫学的な相関関係しかない。これはBCGの種類によっても効果が違うようだ。

EUIS9pJXQAMrWTB

この地図は世界で実施されているBCG接種の種類を示したものだが、日本株(水色)・ロシア株(青)・ブラジル株(紫)の地域の死亡率が低く、デンマーク株(黄色)の国の死亡率が高い。赤は複数の種類、灰色は独自の株を使っているが、イランは死亡率が高く、隣のイラク(日本株)は低い。

これをBCG接種の人口比との相関でみると、次の図のように接種率の高い国は死亡率が低く、接種率の低い国は死亡率が高い。特に全国的なBCG接種を実施したことのないイタリアと、16年間しか実施しなかったスペインの死亡率が極端に高い。

b
BCG接種率(WHO調べ)とコロナ死亡率

ただし医学的な因果関係はわからない。これは世界中で研究が始まっているが、BCGがコロナの抗体をつくるのではなく、多くの感染症に共通する(非特異的な)自然免疫の能力を高める作用があるらしい。

続きは4月6日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで(初月無料)。