新型コロナは日本では鎮静化に向かっている(重症患者は27人に減った)が、世界に拡大してきた。特にアメリカの感染者が542人と日本を抜き、死者も22人で世界第5位になった。これで全世界がパニックに陥るだろう。

これは2009年の新型インフルエンザのように、健康被害はそれほど大きくないが経済に大きなダメージを与える経済的パンデミックになるおそれが強い。こういうとき必要なのは、人々の萎縮した心理を回復させることだ。

昨年10~12月期の成長率は年率マイナス7.1%に下方修正されたが、これにはコロナの影響は含まれていないので、1~3月期のGDPは年率10%以上の減少になることは確実だ。この大きな需給ギャップを埋めるには、数兆円規模の総需要追加が必要である。

日本ではマイナス金利が続いているので、大胆な財政出動ができる。問題は何に使うかだが、感染症対策だけでは数千億円が限度だろう。国会には補正予算が出ているが、これでは足りない。それより早いのは、日銀が国民の銀行口座に直接入金することだ。それがブランシャールも提言している国民の量的緩和である。

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