新型コロナをめぐる状況は、ますます福島第一原発事故の直後に似てきた。その共通点は多い。
  1. 大きな既知の危険より小さな未知の危険を恐れる:毎年1000人以上が死ぬインフルエンザより、7人しか死んでいない新型コロナに大騒ぎする。これは福島で自然放射線より小さい1ミリシーベルトに騒いだのと同じだ。
  2. コストを無視してゼロリスクを求める:中国からの全面入国拒否など費用対効果を考えないで強硬措置を求める。政府は「何もしないのか」という批判を恐れて、3月になってそれをやってしまう。
  3. 子供のリスクに過剰反応する:子供の感染者は2%ぐらいしかいないのに、一斉休校させる。福島のときも「子供の安全」が反対派の錦の御旗だった。
  4. 科学的な安全ではなく心理的な安心を求める:軽症患者がPCR検査をしても意味がないのに「安心できないから希望者全員を検査しろ」と騒ぐ。これは福島でも豊洲でも同じだった。
  5. 政府は超法規的な自粛要請で私権を制限する:財産権を侵害する公権力の行使は法的にできないので、首相が「自粛を要請する」という形で事実上強制する。これも民主党政権のやった原発停止と同じだ。
他にもたくさんあるが、こういうバイアスは日本人だけではなく、多かれ少なかれ人間に共通の心理である。それは進化論的には根拠がある。人々の「古い脳」には、未知の危険に対する恐怖と反射的な行動が埋め込まれているからだ。

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