産経新聞が、また女系天皇を否定するコラムを載せている。「男系男子」の皇室典範を守れというのが社論なのだろうが、その根拠に「神武天皇から今上天皇まで126代にわたる天皇の系図」をあげるのはいただけない。これは聖書を根拠にして進化論を否定するようなものだ。

保守派が「男系天皇」に執着する理由がよくわからない。産経も認めるように、天皇家が男系で継承されるべきだという論理的な根拠はなく、女系なら女系で一貫していればいい。日本古来の伝統は天照大神でも明らかなように女系であり、男系は中国から輸入した儒教思想である。それもかつては王位継承をめぐる戦争を防ぐ意味があったが、今は「系図がごちゃごちゃする」という程度の問題でしかない。

そもそも天皇家が古代から「万世一系」だったという根拠がない(したがって「例外なく男系で継承した」という根拠もない)。「天皇」とか「日本」という称号ができたのは天武天皇の時代であり、それまでの「大王」は一つの家系ではなく、多くの氏族が戦争や離合集散を繰り返す状態だった。本郷和人氏はこれを「ウルトラマンファミリー」にたとえている。

1966年に「ウルトラマン」が放送され、翌年「ウルトラセブン」が放送されたが、これは当初まったく別のシリーズだった。その後「ウルトラマンエース」や「ウルトラマンタロウ」や「ウルトラの母」などが創作され、これが後にウルトラマンファミリーになった。「天皇ファミリー」もこのように多くの氏族を統合する物語なのだ。

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