朝日新聞が「年金、誤解の果ての不信」という記事を電子版で掲載している。何かと不安をあおる朝日には珍しく、政府の年金政策を擁護する記事だ。何が誤解かというと、公的年金を「払った分受け取れる私的年金と混同」しているのだというが、そんな誤解をしている人がどこにいるのか。

世代間格差を問題にしている多くの経済学者は、公的年金を私的年金と同じにしろといっているのではない。今の賦課方式の年金制度が、超高齢化する社会では将来世代との受益と負担の格差を拡大するといっているのだ。

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朝日新聞(少なくともこの記事を書いた太田啓之という記者)の考え方は厚労省の年金マンガと同じだが、厚労省も世代間格差がないとはいっていない。格差はあるが、公的年金は保険だから金銭の損得で判断してはいけないというのだ。これは奇妙な話である。保険を金銭で判断しなかったら、何で判断するのだろうか。

朝日新聞は「世代間格差は受け入れざるを得ない副産物」だというが、これは嘘である。年金制度としては積立方式もある。積立方式だと原理的には世代間格差をなくすことができるが、別のコストが発生する。それは費用対効果の問題である。賦課方式のメリットは、将来世代との生涯所得1億円の格差に見合うのだろうか。

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