マイナス金利が構造的な長期停滞の兆候だとすれば、それは資本主義の黄金時代が終わったことを暗示している。ロバート・ゴードンもいうように、物的資本を投下して収益(金利)を生む産業革命以来の物的資本主義は終わったが、その後に来るのも資本主義だろう。

しかしこれから価値を生むのは物的資本でも人的資本でもなく、情報や権利などの無形資本である。それが半導体としてハードウェアになるか、文字列としてソフトウェアになるかは本質的な問題ではない。重要なのは、それをコントロールするルールである。「知的財産権」は情報の配分に大きなゆがみをもたらしたが、それよりましな制度は実用化できない。

市場経済が「資源の効率的な配分」をもたらすので、政府の役割は外部性などの例外的な「市場の失敗」を補正することだけだという新古典派の物語の適用範囲は、最初から限られていた。この物語の元祖とされるロナルド・コースは、実は社会的コストの問題を財産権で解決することには限界があると述べていた。市場では財産の初期分配を決めることができないからだ。

7月5日(金)からのアゴラ経済塾「長期停滞の時代」第2部では、こうした問題をみなさんと考えたい(申し込みはまだ受け付け中)。

続きは7月1日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。