この動画は、6月26日現在で440万回再生されている。共産党の支持率が伸びている背景には、昨今の「大きな政府」への流れがあるのだろう。100年前に世界の貧困層を魅了した社会主義が、いま格差の拡大する世界で魅力を増すのは不思議ではない。

もともと共産党は、大きな政府の本家である。マルクスは国有化を否定したが、その後の社会主義では「生産手段の国有化」が最大のスローガンだった。ロシア革命も中国革命もそれを実行し、悲惨な結果をもたらした。それによって1990年代以降は「新自由主義」の小さな政府が主流になったが、歴史は一巡りしたのかもしれない。

社会主義の負のイメージは暴力革命と結びついているが、欧米で「反緊縮」の運動に参加している若者は社会主義が消えてから生まれた世代で、暴力革命を知らない。もともと社会主義は、暴力革命とは結びついていなかった。マルクスが「プロレタリア独裁」を主張したのは戦術論であり、レーニンが暴力革命を起こしたのは、労働者階級の存在しないロシアでは、それ以外に政権をとる手段がなかったからだ。

世界の労働運動の主流は第2インターナショナルのような社会民主主義だったが、戦後はパッとしなかった。資本主義が圧倒的な経済成長をもたらし、労働者を豊かにして、階級闘争を消滅させたからだ。しかし成長が停滞して格差の拡大する21世紀の先進国で、資本蓄積がすべての人を豊かにするというドグマを信じる人は少なくなった。

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