現金の呪いーー紙幣をいつ廃止するか?
ゼロ金利で伝統的な金融政策はきかなくなったが、理論的にはもっと大きなマイナス金利にすることができる。政策金利を(たとえば)マイナス2%にして、日銀が市中銀行に貸し出すとき2%の金利を払うか、預金に2%課税すればいいのだ。これによって預金者は貯蓄を取り崩して消費し、貯蓄過剰は解消されるだろう。

この解決策の難点は、預金者が取り崩した預金を消費しないで、紙幣のまま保有することだ。そこで著者は紙幣の廃止を提案する。通貨をすべて電子化したら、タンス預金は不可能になり、マイナス金利をつけるのも簡単になるので、試しにマイナス3%にして、インフレになったらすぐゼロに戻すこともできる。

日銀券を全面電子化したら、金融政策の自由度が飛躍的に高まるだけでなく、脱税は不可能になり、地下経済もなくなる。しかしそれが、この種の提案が実現しない政治的障害だ。本書はそういう難点を解決する具体策もいろいろ提案している。仮想通貨などの技術は飛躍的に発展したので、向こう50年ぐらいを考えると、これが究極のマイナス金利問題の解決策かもしれない。

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