超高齢化する日本で、世代間格差は大きな問題である。増税を先送りすると財政赤字が増え、そのコストは将来世代の増税になるので、現在世代は子孫にツケを回しているとよくいわれるが、この問題は二つにわけて考える必要がある。

第一は所得分配の問題である。賦課方式の社会保障は、定義によって世代間の所得移転なので、高齢化で現役世代の負担が増えることは避けられないが、これは財政赤字の問題ではない。社会保障の赤字を国債で埋めても、借り換えできれば増税しなくてもいいので、将来世代の負担増は発生しない。

第二は資源配分の問題である。これは理論的にはむずかしいが、厳密な証明はブランシャールの論文を読んでいただくとして、ごく大ざっぱにいうと、財政赤字で民間投資がクラウディングアウトされるが、金利(資本収益率)が成長率より低いときは、そのコストは小さい。資本過剰で投資が足りない動学的に非効率な状態では、政府が需要不足を埋めたほうがいいのだ。

今のゼロ金利の状況では財政赤字のコストはゼロなので、政府が借金して需要を作り出し、それをゼロ金利で借り換えれば、現在世代は得をし、将来世代も成長率が上がって利益を得る。つまりゼロ金利がずっと続くとすれば、財政赤字ですべての世代が利益を得るフリーランチがあるのだ。問題はそれがいつまで続くのかということである。

続きは4月15日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。