バブル崩壊は10年ごとにやってくるという経験則から考えると、来年は危険信号だ。相場の動きも不気味になってきた。NYダウは10月の最高値から20%近く下げ、日経平均も昨年末より下げて終わった。バフェット指数(時価総額/名目GDP)でみると、ダウは2013年以降は一貫して割高で、今でも2008年の「リーマンショック」前より高い。

キャプチャ


このチャートを見てもう一つ気づくのは、今年の相場が2000年のITバブルに似ていることだ(時間軸の違いに注意)。株価でみるとアメリカの戦後最大のバブルはITバブルだったが、その後遺症は3年ぐらいで終わった。それに対してリーマンショックの後遺症は今も世界的に残り、金余りの中で長期停滞が続いている。

ITバブルとリーマンの違いは、前者が株式市場で起こったのに対して、後者が債券市場(住宅ローン)で起こったことだ。株価は値下がりしたらあきらめるが、債務不履行になると債務者は破産して資産が差し押さえられ、企業は倒産し、銀行は債務超過になる。銀行預金は元本を保証しているので取り付けが起こり、社会全体に危機が波及する。

金融危機の本質は取り付けなので、資産価格の崩壊は防げないが、金融危機は(理論的には)防げる。取り付けの原因は決済機能をもつ銀行が企業に融資してリスクを取ることにあるので、コクランの提案するように、金融機関を決済専門の「ナローバンク」とリスク資産を扱う「投資銀行」に分割し、ナローバンクにはリスクテイクを禁止すればいいのだ。

続きは12月31日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。