Not By Genes Alone: How Culture Transformed Human Evolution (English Edition)
獲得形質は遺伝しない、というのが中学生も習う生物学の根本原理である。あなたがいくら勉強しても、その記憶は子供には遺伝しない。だからラマルクの進化論は否定されたが、文化レベルでは間違いとはいいきれない。記憶は遺伝しないが言語習得能力は遺伝するので、子供に言葉を教えれば、勉強できるようになる。

これは遺伝的な進化と似ているが、メカニズムはまったく違う。DNAのゲノムは固定されたハードウェアだから、環境が変化したとき、それに適応できない個体が淘汰されるという形でしか、遺伝子の進化は起こらない。これには長い時間がかかり、急激な気候変動などがあると種が絶滅してしまう。

それに対してホモ・サピエンスは大きな脳が発達し、文化や言語を長期記憶にソフトウェアとして記憶する能力を身につけた。文化は遺伝子より柔軟で変化の幅が広く、蓄積できる。しかも適応のスピードは遺伝子よりはるかに速いので、これが人類が短期間に驚異的に繁殖した最大の原因だ、というのが本書の主張である。

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