文明としての江戸システム 日本の歴史19 (講談社学術文庫)
21世紀の日本は、よくも悪くも「江戸時代化」している。これは與那覇潤氏が「中国化」と対比した特徴だが、少なくとも次の3点で現代は江戸時代と似ている。

 ・平和が長く続く
 ・人口が増えない
 ・経済が停滞する

これは江戸時代全般ではなく、18世紀以降の特徴だ。江戸時代前期は経済が成長し、人口も急増した。著者の推定によれば、1600年の人口は1500~1600万人だったが、1700年には3100~3200万人ぐらいになったと思われる。100年で2倍の急成長だが、その最大の原因は平和になって農業が発展し、市場経済が拡大したことだ。

それはわかりやすいのだが、人口増加は1700年ごろぴたっと止まり、幕末までほとんど増えていない。150年間で90万人ぐらいしか増えなかった。その原因は気候の寒冷化による飢饉だとか出生抑制(間引き)だとかいわれるが、決定的な理由はわからない。はっきりしているのは、その結果、経済が停滞し、大名の財政が悪化して武士が貧しくなったことだ。

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