JBpressの記事はやや荒っぽいので、補足しておく。今回の大停電の原因は、短期的には泊原発を止めたままにしていることだが、本質的な問題は、いびつな電力自由化にある。今まで電力会社は地域独占で供給責任を負ってきたため、日本の電力品質は高いが、電気料金は世界最高水準だ。これが2020年4月から発送電分離されると、送電部門は別会社になり、発電は禁止される。系統運用は送電会社の責任になるので、発電会社は送電責任を負わない

bunri

火力発電所は太陽光や風力などデコボコの多い発電所の負荷(超過需要)を調整しているが、発送電分離されると調整は送電会社の役割になる。その調整は今の電力会社の設備を使うが、分離されることがわかっている電力会社には、競合他社の負荷を調整する投資のインセンティブがない。だから設備投資は「効率化」されてぎりぎりになり、今回のような事故が起こりやすくなるのだ。

私は原則として電力自由化には賛成だが、日本の自由化は経産省が3・11のあと、東電の政治力が弱った時期に、民主党政権を利用して火事場泥棒的に決めたものだ。おまけに原子力が動かない状態のまま発送電分離するので「片肺飛行」になり、今回のような事故が再発するリスクもある。このまま分離して大丈夫なのか。

続きは9月17日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。