魔女・怪物・天変地異 (筑摩選書)
北海道が大停電になっても、マスコミが大きく伝えるのは泊原発の「外部電源喪失」という話だが、これは単なる停電のことだ。「原発を動かしておけば大停電は起こらなかった」といっても彼らは認めない。彼らの脳内には「放射能は超自然的な怪物だ」という固定観念があるからだ。

こういう発想は珍しくない。というより、歴史的にはそれがどこの文明でも普通だった。人間のコントロールできない天変地異の原因を日本人はケガレやタタリに求め、ヨーロッパ人は魔女や怪物に求めた。その原因は個別に求められたので、地域によっても人によっても異なった。それは聖書には書いてないが、ヨーロッパで魔女を認定したのは聖職者だった。

16世紀以降の大航海時代には、新大陸で既存の分類で説明できない新奇な人間や動物が大量に発見されたが、それをヨーロッパの同類だと考えた人はほとんどいなかった。それは「反自然」であり、それを征服することが文明だと考えられた。こうした「非合理性」が宗教改革で変わったかといえば、逆だった。プロテスタントはむしろ魔女狩りを強めたのだ。

続きは9月17日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。