暗闘(上) - スターリン、トルーマンと日本降伏 (中公文庫)きょうは8月15日。歴史にifは無意味だが、きょうぐらいそういうお遊びをしてもいいだろう。本書はポツダム宣言から日本の降伏までの経緯を海外の資料も含めて詳細に検証した研究だが、最後に8項目の「とられなかった道」をあげて、そういう仮定を検討している。
  1. もしもトルーマンが日本の立憲君主制を認める条項を承認したら:ポツダム宣言の原案には日本の立憲君主制を認めるという条件があったが、最終的には削除された。これはトルーマンが拒否したためと思われるが、それがあれば日本の降伏は早まった可能性がある。トルーマンが「無条件降伏」にこだわったのは、日本の降伏を遅らせて原爆を投下するためだったかもしれない。

  2. もしもトルーマンがポツダム宣言にスターリンの署名を求めていたら:ポツダム宣言にソ連が署名するということは、日本がそれを拒否したらソ連が参戦することを意味する。本土決戦はソ連の中立を前提としていたので、この場合は日本の降伏は早まった可能性が高い。

  3. もしも原爆が投下されなかったら:1946年に米軍の出した戦略爆撃調査では「原爆投下やソ連参戦がなくても日本は本土決戦の前に降伏しただろう」と報告しているが、近衛文麿は「原爆が投下されなかったら、少なくとも年末までは続いただろう」と答えている。日本の指導部は敗戦が決定的であることを知っていたが、原爆だけで本土決戦を止められたかどうかは疑わしい。
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