異常気象と人類の選択 (角川SSC新書)
京都議定書が2002年に国会で承認されたとき、私はそれに反対を表明した数少ない準公務員(経済産業研究所フェロー)だったので、環境保護の活動家から「地球温暖化懐疑派」と批判された。そのころ温暖化を疑うのは「化石燃料をジャブジャブ使いたい財界の手先」で、異常気象で人類が滅びると信じる人が真のエコロジストだった。

ところが3・11のあと、状況が変わった。民主党政権が原発を止めたおかげでCO2排出量が増えたのに、エコロジストは反原発に転じて温暖化のリスクをいわなくなり、原発推進派が温暖化のリスクを強調するようになった。この分類でいうと、懐疑派の私は反原発派ということになるが、実際にはどっちでもない。

本書も指摘するように、ここ100年の長期でみると地球温暖化が起こっていることは明らかだが、それが異常気象を生むのか、その最大の原因は人間の産業活動なのか、という科学的な因果関係は不確実性が大きい。その防止にどれだけコストをかけるべきかもはっきりしない。それは温暖化による災害リスクより防災のコストが低いかという経済問題だからである。

続きは7月16日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。