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私が西和彦さんと一緒にビル・ゲイツに会ったのは、2011年9月だった。彼は第4世代原子炉に巨額の投資をしているが、原発推進派ではない。彼は気候変動が人類の最大の脅威だと考え、再生可能エネルギーにも投資したが、蓄電技術がボトルネックだった。

エネルギー産業は、ITの次の大きなフロンティアだ。アメリカでは古い地域独占の電力会社が残っているおかげで、イノベーションの余地は大きい。新興国はクリーンで安いエネルギーを求めており、重量あたり石炭の100万倍のエネルギーを出せる原子力には、非常に大きなポテンシャルがあるという。

「原子力についてのシンクタンクをつくりたい」という私の提案に対して、彼は「原子力技術や放射能の影響は科学的によくわかっているので、問題はそれを一般市民に伝えることだ。研究員を雇う必要はなく、ウェブサイトで情報を共有する仮想シンクタンクをつくるべきだ」といって寄付してくれた。その資金で設立したのがGEPRだ。

彼はPCソフトウェアで世界を変えた。そしてもう一度、原子力で世界を変えられると信じているが、その舞台は中国に移った。原子力の最大の問題は技術ではなく、政治だからである。

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