伊藤詩織事件がまだ延焼しているが、この動画でも説明したように、これは刑事事件としては決着がついている。刑法で「準強姦罪」が成立するのは「心神喪失または抗拒不能となった女性を姦淫した場合」だが、山口氏の証言によれば伊藤氏がベッドに入ってきたので、心神喪失にはあたらない。伊藤氏も「記憶がない」というのでは、立証は困難だ。

これは山口氏が安倍政権に近いかどうかとは関係ない。彼が左翼の活動家だったとしても、公判が維持できないと考えたら検察は起訴しない。本件も書類送検になった段階で、警察は無理とあきらめていたのだろう。それが「有罪率99%」の日本の司法の特徴だが、本件の場合は起訴して、裁判で決着をつけたほうがすっきりしたと思う。

特に釈然としないのは、伊藤氏が2015年4月に警察に被害届けを出した直後に、TBSが山口氏をワシントン支局長から解任し、彼が帰国するとき高輪署の取った逮捕状を警視庁の刑事部長が執行させなかったことだ。これは警察の手続きとしても異例で、政治的配慮があった疑いが強いが、それは「安倍政権への忖度」ではない。

続きは7月2日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。