ファーガソンの『大英帝国の歴史』を紹介した直後に、BBCの伊藤詩織事件についての番組が放送されたのは、おもしろい偶然だ。この番組には、大英帝国が数百年にわたって世界を支配した秘訣が描かれているからだ。それは白人以外は人間として扱わないという原則である。

黒人を同じ人間として扱ったら、1500万人もアフリカから新大陸に輸送することも、奴隷として労働させることもできない。イギリス人はインドでも工業化を徹底的に妨害し、教育もインフラ建設もしなかった。彼らは心の中ではアジア人を蔑視しているが、それを露骨に表現しない。セックスが好きだが、それもBBCでは扱えない。慰安婦問題とかセクハラとか「人権問題」の建て前で、日本人を攻撃するのだ。

それをアプリオリに悪と決めつけることはできない。19世紀までは民族自決などという原則はなく、戦争は合法であり、強い国が弱い国を支配するのは当たり前だった。原住民を同じ人間として扱うと、植民地支配には膨大なコストがかかり、採算がとれない。その失敗例が日本だった。

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