誰がテレビを殺すのか (角川新書)
物騒なタイトルだが、本書の結論は「テレビは容易に死なない」。インターネットのアクセスがいかに多くても、広告の効果はテレビにかなわない。たとえば首都圏ローカルのスポット広告料金は100万円ぐらいだが、深夜番組でも視聴率が1%取れれば、30万人ぐらいが見る。同じアクセスをヤフーで取ろうとすると、トップバナーの広告料金は2000万円だという。

もちろんテレビの視聴者は漫然と眺めているのに対してヤフーのユーザーは積極的にアクセスしているとか、そのままクリックするなどの違いはあるが、数百万人という規模の大衆にアピールできる媒体として、地上波テレビにまさるものはない。広告は確率のビジネスだから、分母が大きいほうがいいに決まっている。

そして1日中テレビを見ているのは、60歳以上の老人だ。かつてテレビは専業主婦のものだったが、今は男性も7割以上が無職だ。テレビを見る時間は女性より多く、平日でも平均4時間も毎日テレビを見ている。そういう「することがない人々」が時間をつぶす道具に特化しているのが民放だ。それが左傾化した最大の理由も、視聴者の高齢化である。

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