昨夜の言論アリーナは、宇佐美さんの新著の「先送り」がテーマだったが、意思決定がなぜ先送りされるかはおもしろい問題だ。先送りはオプション価値をもつ。たとえば値下がりした土地を時価で売ると損が出る場合、ずっと保有していると、そのうち値上がりするかもしれない。先送りすると値上がりしてから売るオプションをもっているので、そういう権利を証券化したのがオプション証券だ。

他方、先送りにはコストも発生する。借金して土地を買ったとすると、先送りによって金利が発生する。つまり金利は先送りの機会費用とも考えることができるので、先送りのオプション価値と金利のどっちが大きいかで意思決定が決まる。

1998年以降の日銀の超低金利政策は、最初は不良債権問題で破綻した企業を救済するためだったが、そのうち企業がゼロ金利を前提にして行動するようになった。常識的には金利がゼロならどんどん借りて投資するだろうと思う(日銀も経済学者もそう思った)が、実際には逆だった。企業の貯蓄が増えたのだ。

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