デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論
きのうの記事でも書いたように、日本の低成長の最大の原因は高齢化による労働人口の減少なので、マクロ経済政策では解決できない。金融政策が役に立たないことはもう明らかだが、財政出動も短期的な意味しかない。財政赤字の分だけ総需要は増えるが、それが終われば元の木阿弥だ。

GDPを維持する一つの方法は移民を受け入れて人口を増やすことだが、これは社会保障を混乱させ、一人当たりGDPを上げる役には立たない。女性の労働参加率を高めることは意味があるが、今はかなり高くなったので劇的な効果は期待できない。

労働人口の減る中でGDPを上げるには、労働生産性(労働者一人当たりGDP)を上げるしかない。これは算術的には当たり前だが、具体策ははっきりしない。安倍政権の「生産性革命」も、成果はまるで上がっていない。本書は、日本企業の生産性が上がらない原因は「奇跡的に無能な経営者」を政府が甘やかしてきたからだと指摘する。その原因は次の5つだという。
  1. 株主のガバナンスが弱い
  2. 労働組合の弱体化
  3. インフレがない
  4. 超低金利政策
  5. 輸入がきわめて少ない
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